今までどおり

先日心を一にする鍼灸師が集う東洋はり医学会第11回国際指導者研修会に参加してきました。
こういう集まりは研修内容はさることながら、そのあとの飲み会に楽しい話や参考になる話が飛び出すもの。
今回もあるはり灸師の方がこんな話をしていたのに耳が留まりました。

<うちにはがん患者の方が結構お見えになります。
初期の方もおられれば末期がんで緩和ケアの一端としてはり灸を求めてこられる方もおります。

先日お見えになった方。
この患者さんは胃がんの腹腔鏡手術で胃の一部を切除された方でした。
早く仕事に復帰したいとのことでわたくしの治療室を訪れました。

その患者さん、治療を行っているうちにだいぶ元気になられました。
そんなある日、雑談交じりにこんな話をしてくれました。

「実は手術の終わったあとお医者さんがにこやかにこう言ってくれました。
『悪いところは全部切除しましたから、これで今までどおりの生活ができますよ。』と。
私はまた元気に働けるのだなあと思うととてもうれしくなりました。」

私はこの話を聞いて少し変だなあと思ったものです。

がんにはもちろん遺伝的要因で発病するものもあります。
しかし、生活習慣やそれに伴うストレスが引き金となることも多々あります。
もしそれが原因だったとしたら・・・・・・・。
「今までどおりの生活」をしていたのではまた再発する危険性があるのではないか、と。

がんの再発を予防したかったら今までの生活を見直し、食事や睡眠、時間の使い方、日々の過ごし方など今までと違った暮らし方を考え、実践していかなければならないのではと・・・・・。>

「なるほどなあ」
私は飲みかけのビールのコップを片手に、うなづきながらこの話を聞いていました。

お医者さんには悪気はありません。
きっと患者を元気づけたくて
「これで今までどおりの生活ができますよ。」
こう言ったのだと思います。
だからこの逸話を軽く受け流してしまえばそれで話は終わりです。
でもちょっと深読みするとこのはり灸師の言う通りだなあと思いました。

私たちには長年培ってきた一定の生活のリズムとか生活パターンというのがあります。
私たちはこの生活のリズムや生活パターンを繰り返していればいつまでも健康でいられる。
そう思いがちですがそうとは限りません。
なぜなら、私たちのからだは日々老化していきます。
それに伴い多少の体調の変化をもたらすということはやむを得ないことだからです。
しかし、大きく健康を害するような事態の発生は多くの場合、やはりそれまでの生活習慣がどこか誤っていたということを意味します。
高血圧、心臓病、軽い脳こうそくなど何かの病気を抱えたりその疑いを示唆されたりするということは生活習慣を見直せというからだからの警告です。
私たちはその警告に素直に耳を傾ける姿勢も必要です。

病気にならないために今日からサプリメント。
それもよいでしょう。
けれどちょっとこちらを振り向いてください。
はり灸もあなたにとっての老化や病気を防ぐ強い味方になります。
もっともあなたに自分の生活を見直そうという気持ちがなければ、私たちはり灸師はあなたと手を携えて明日を生きることはできないのですが・・・・・。

なるべく長い時間、ベストコンディションで日々を生きたいと願っているあなた。
一度私たちに相談してみませんか。
きっと私たちが行うはり灸治療はあなたの明日のよりよい健康のお役に立ちます。